ベルナール・スリエ症候群(ベルナール・ソリエ・しょうこうぐん、英:Bernard–Soulier syndrome)とは、常染色体劣性遺伝の先天性止血異常症である。von Willebrand因子受容体である血小板表面のGPIb/IX 複合体の先天性欠損がその本質である。
発症機序
GPIb/IX 欠損はvon Willebrand 因子(von Willebrand factor; vWF)による血小板機能欠損・一次止血機能の欠損を意味する。またシグナル伝達もなされないため、血小板の成熟障害もきたすため、巨大血小板性血小板減少症もみられる。
疫学
100万人に一人程度の発症頻度であり、稀な疾患である。GPIbα/GPIbβ、GPIX のいずれかの遺伝子の異常がホモ接合した場合にのみ発症するので、ヘテロ保因者はそれ以上存在する。ヘテロ保因者は通常の検査異常も、症状もみられない。
他の先天性巨大血小板症と比べると最も頻度が高い。
症状
重篤な出血傾向を来す。
治療
抜本的な治療はなく、出血のコントロールが必要であれば、血小板輸血を行なう(他者の正常受容体をもつ血小板を補う)。
名称の由来
この疾患群を報告したフランス人医師のジャン・ベルナール と ジャン・ピエール・スリエに由来する。
参照・引用




