有田郡(ありだぐん)は、和歌山県(紀伊国)の郡。
人口40,382人、面積437.99km²、人口密度92.2人/km²。(2025年3月1日、推計人口)
以下の3町を含む。
- 湯浅町(ゆあさちょう)
- 広川町(ひろがわちょう)
- 有田川町(ありだがわちょう)
郡域
1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記3町に有田市の大部分(初島町里・初島町浜を除く)を加えた区域にあたる。
歴史
古代
『紀伊続風土記』によると、古代は安諦郡(あで)という郡名であったが、平城天皇の諱「安殿(あて)」と音が似て畏れ多いということから在田郡に改称したという。
式内社
『延喜式』神名帳に記される郡内の式内社。
近世
江戸時代までは在田郡とも表記した。
- 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。(138村)
近現代
町村制以前
- 明治4年
- 7月14日(1871年8月29日) - 廃藩置県により、藩領が和歌山県、新宮県、田辺県の管轄となる。
- 11月22日(1872年1月2日) - 第1次府県統合により、全域が和歌山県の管轄となる。
- 明治12年(1879年)
- 1月20日 - 郡区町村編制法の和歌山県での施行により、行政区画としての有田郡が発足。郡役所が湯浅村に設置。
- 中野村(現・広川町)が上中野村に、金屋村(現・広川町)が南金屋村に、中村(現・広川町)が東中村に、中野村(現・有田川町植野)が植野村に、宿村が岡田村に、大谷村(現・有田川町東大谷)が東大谷村に、中村(現・有田川町尾中)が尾中村にそれぞれ改称。
- 2ヶ所存在した中島村が下中島村(現・有田市)、上中島村(現・有田川町)にそれぞれ改称。
町村制以降
- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(21村)
- 石垣村 ← 吉原村、糸川村、修理川村、松原村、歓喜寺村、宇井苔村(現・有田川町)
- 城山村 ← 二川村、東大谷村、日物川村、境川村(現・有田川町)
- 五村 ← 中原村、川合村、二沢村、北野川村、三瀬川村(現・有田川町)
- 安諦村 ← 井谷村、板尾村、杉野原村、押手村、沼谷村(現・有田川町)
- 生石村 ← 丹生村、糸野村、下六川村、釜中村、上六川村、黒松村(現・有田川町)
- 保田村 ← 星尾村、千田村、辻堂村、下中島村、山田原村(現・有田市)
- 宮原村 ← 道村、東村、畑村、南村、須谷村、滝村、滝川原村(現・有田市)
- 糸我村 ← 中番村、西村(現・有田市)
- 田栖川村 ← 田村、栖原村、吉川村(現・湯浅町)
- 広村 ← 広村、和田村(現・広川町)
- 御霊村 ← 西丹生図村、東丹生図村、垣倉村、庄村、徳田村、吉見村(現・有田川町)
- 五西月村 ← 青田村、有原村、大西村、大薗村、小原村、冬村、延坂村[飛地を除く]、沼田村、本堂村、中嶺村、中村、瀬井村、彦ヶ瀬村、尾上村、西ヶ峯村(現・有田川町)
- 八幡村 ← 三田村、宮川村、大蔵村、西原村、清水村、久野原村、上湯川村、下湯川村、楠本村、沼村、遠井村(現・有田川町)
- 湯浅村 ← 湯浅村、別所村、青木村、山田村(現・湯浅町)
- 津木村 ← 上津木村、下津木村、前田村(現・広川町)
- 田殿村 ← 上中島村、長田村、角村、尾中村、出村、田口村、大賀畑村、大谷村、井口村、賢村、田角村、長谷村、船阪村(現・有田川町)
- 岩倉村 ← 川口村、谷村、岩野河村、立石村、粟生村(現・有田川町)
- 藤並村 ← 熊井村、水尻村、岡田村、奥村、植野村、土生村、天満村、下津野村、野田村、明王寺村、小島村(現・有田川町)
- 鳥屋城村 ← 金屋村、市場村、中野村、中井原村、小川村、長谷川村、延坂村[飛地](現・有田川町)
- 宮崎村 ← 小豆島村、箕島村、北湊村、野村、新堂村、古江見村、山地村(現・有田市)
- 南広村 ← 西広村、唐尾村、山本村、上中野村、南金屋村、殿村、井関村、河瀬村、柳瀬村、東中村、名島村(現・広川町)
- 明治29年(1896年)6月22日 - 湯浅村が町制施行して湯浅町となる。(1町20村)
- 明治30年(1897年)9月1日 - 郡制を施行。
- 明治34年(1901年)3月16日 - 宮崎村が町制施行・改称して箕島町となる。(2町19村)
- 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
- 昭和25年(1950年)10月1日 - 広村が町制施行して広町となる。(3町18村)
- 昭和29年(1954年)9月19日 - 箕島町・保田村・宮原村・糸我村が合併して有田町が発足。(3町15村)
- 昭和30年(1955年)
- 4月1日(4町9村)
- 生石村が鳥屋城村に編入、石垣村・鳥屋城村・五西月村が合併して金屋町が発足。
- 広町・南広村・津木村が合併して広川町(ひろかわちょう)が発足。
- 4月16日 - 藤並村・田殿村・御霊村が合併して吉備町が発足。(5町6村)
- 5月10日 - 城山村・八幡村・安諦村が合併して清水町が発足。(6町3村)
- 4月1日(4町9村)
- 昭和31年(1956年)
- 3月31日 - 田栖川村が湯浅町に編入。(6町2村)
- 5月1日 - 有田町が市制施行して有田市となり、郡より離脱。(5町2村)
- 昭和34年(1959年)1月1日(5町)
- 五村および岩倉村の一部(粟生)が清水町に編入。
- 岩倉村の残部(川口・谷・岩野河・立石)が金屋町に編入。
- 平成8年(1996年)4月1日 - 広川町(ひろかわちょう)が改称して広川町(ひろがわちょう)となる。
- 平成18年(2006年)1月1日 - 吉備町・金屋町・清水町が合併して有田川町が発足。(3町)
変遷表
行政
- 歴代郡長
『和歌山県史 人物』による。
脚注
参考文献
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 30 和歌山県、角川書店、1985年7月1日。ISBN 404001300X。
- 旧高旧領取調帳データベース
- 和歌山県史編さん委員会 編『和歌山県史 人物』和歌山県、1989年。



